半導体連携、台湾有事を念頭 調達多様化目指す―経済版「2プラス2」

東京, 7月31日, /AJMEDIA/

日米両政府はワシントンで29日に開いた外務・経済閣僚による「日米経済政策協議委員会」(経済版2プラス2)で、経済安全保障の観点から重要性が高まっている半導体のサプライチェーン(供給網)構築をめぐり緊密に連携することで一致した。台湾有事を念頭に、半導体の生産施設が集中する台湾への過度な依存を見直し、自国生産を含めた調達の多様化を図る。半導体の開発加速や増産をもくろむ中国に対抗する構えだ。
 米中ハイテク競争の主戦場である半導体分野は、経済版2プラス2の柱。米国は半導体の設計、日本は製造装置に強みがあるが、世界の最先端半導体生産の9割を台湾が握っているのが現状だ。日米はスマートフォンなどに使われる次世代半導体の量産に向けた研究開発組織の発足で合意したが、この分野も台湾が先行している。
 新型コロナウイルス危機に伴うデジタル化の進展を受けて、主要国は半導体産業への投資を強化している。日本は5月に経済安保推進法を成立させ、半導体の研究開発に10年で1兆円を充てる案が浮上。米国も2プラス2直前の28日、半導体法案成立にめどを付け、国内生産に7兆円の補助金を投じる方針だ。
 米国は台湾有事をにらみ、半導体など先端技術に関する新たな対中輸出規制の枠組みを模索する。いざ有事となれば、ウクライナに侵攻したロシアに対して構築した多国間の輸出規制の枠組みを「対中国でも再現したい」(米商務次官)考えだ。経済版2プラス2では人権侵害に悪用されかねない技術の輸出規制も議題に含まれており、関連技術を持つ日本は今後、難しい対応を迫られる可能性もある。

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