北朝鮮、今年3回目のミサイル発射 18日に続き米韓けん制―与正氏、日本通過発射を示唆

東京, 2月21日, /AJMEDIA/

韓国軍によると、北朝鮮は20日朝、西部の平安南道・粛川一帯から日本海に短距離弾道ミサイル2発を発射した。北朝鮮のミサイル発射は18日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)以来で今年3回目。金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は日本上空を通過する弾道ミサイルの発射も辞さない構えを見せた。3月中旬に大規模な合同軍事演習を予定する米韓をけん制する狙いがあるとみられる。
 米韓両軍は19日、北朝鮮のICBM発射を受けて、朝鮮半島でB1B戦略爆撃機を動員して合同訓練を実施した。北朝鮮の朝鮮中央通信は20日のミサイル発射について、米韓の訓練に対抗する目的で行われたと伝えた。韓国軍によると、2発の飛行距離はそれぞれ約390キロ、約340キロだった。
 防衛省によると2発は日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したと推定される。岸田文雄首相は20日、発射を強く非難し、国連安全保障理事会に緊急会合の招集を要請したと語った。安保理は、米東部時間20日午後3時(日本時間21日午前5時)から緊急会合を開く。
 与正氏は発射直後に異例の談話を発表。「太平洋をわれわれの射撃場として活用する頻度は米軍の行動に懸かっている」と表明し、米側の対応次第で日本列島を越えて弾道ミサイルを撃つことを示唆した。さらに、「わが国の安全に与える影響を綿密に検討し、憂慮があると判断した場合には相応の対応に乗り出す」と述べた。
 朴元坤・梨花女子大教授は、与正氏の談話について、さらなる挑発を事実上予告するもので、「朝鮮半島やインド・太平洋地域の緊張を高めようとしている」と分析した。北朝鮮は昨年、巡航ミサイルを含め過去最多の73発のミサイルを発射。今年は元日の発射後は1カ月半以上控えていた。
 朝鮮中央通信は20日に撃った2発のミサイルを「戦術核攻撃手段」である「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」と説明。韓国の空軍基地の攻撃を想定しているもようで、同通信は「4発で敵の作戦飛行場の機能をまひさせることができる」と主張した。

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