創業家とファンド対決 21日に株主総会―フジテック

東京, 6月21日, /AJMEDIA/

エレベーター大手フジテックの定時株主総会が21日、開かれる。創業家出身で大株主の内山高一前会長が社外取締役8人の選任議案を株主提案。これに対し、フジテック側は香港の投資会社オアシス・マネジメントが推薦し、選任された社外取らで構成する取締役会が反対し、対決の構図となっている。
株主提案、最多の90社 取締役選任、利益還元を要求―6月総会

 フジテックを巡る騒動は1年以上に及ぶ。オアシスは昨年5月、当時社長だった内山氏が会社資金を私的流用している疑いがあるなどと追及。フジテックは同6月の株主総会直前に内山氏の取締役再任案を撤回、同氏は会長に就任した。
 しかし、オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者は「株主への説明責任を逃れる試みだ」と批判。今年2月の臨時株主総会に社外取を推薦し、4人が選任された。その後、フジテックは内山氏を解職。オアシスが再任反対を表明した岡田隆夫社長も退任が決まり、フジテックと創業家間の距離が広がった。
 一方、内山氏は「株式取得と売り抜けによる譲渡益を目指すオアシスが取締役会を支配し、ガバナンス(企業統治)の問題を引き起こしている」と反論。今回の株主提案に加え、オアシスや全社外取5人に損害賠償を求める訴訟に踏み切った。
 内山氏の株主提案にはフジテック元役員や元社員有志、一部取引先も支援を表明。社外取候補で経営・財務コンサルタントの沖本普紀氏は「会社は株主全体に奉仕すべきで、社外取は特定の株主だけを優遇してはならない」と訴えている。
 こうした主張に、フジテックは「社外取は特定の株主の利益のために行動していない。印象操作で株主を誤導しようとしている」と指摘。主張が真っ向から対立する中、株主の判断が注目される。

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