ルビーのような澄んだ色 アゼルバイジャンの「ザクロ」ワイン

東京, 12月25日, /AJMEDIA/

宝石のような赤い実がたくさん詰まった果物、ザクロ。世界有数の産地、アゼルバイジャン共和国ではザクロワインの醸造が盛んだ。栄養豊富なザクロを使ったその甘酸っぱい味わいは、年末のホームパーティーにもおすすめだ。

うっとりするような澄んだ深紅のルビー色。口に含むと、鮮やかな甘酸っぱさが広がった。

「ワインが苦手な人でも飲みやすくて、ザクロ本来の果実味を楽しむことができます」

ザクロワインの魅力をこう語るのは、父がアゼルバイジャン人、母が日本人という、カランタル玲於(れお)さん(25)。東京・八王子で生まれ育ち、大学卒業後、アゼルバイジャンのワインや食品を取り扱う商社で働き、同国の食文化を伝えている。

栄養豊富な果実酒
カランタルさんが働く「TET INTERNATIONAL DEVELOPMENT」(東京都品川区)は昨年11月、グロイシャという品種のザクロを使ったアゼルバイジャン産の「アグス ポメグラネートワイン プレミアム」(1本3245円)の販売を日本で始めた。

ザクロワインは、果実を圧搾してジュースにした後、アルコール発酵と熟成などを経て造られる。しっかりとした果実味を感じる味わいに加え、ザクロ由来の栄養面でも注目されており、「むくみや高血圧の予防に効果的なカリウムや、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用などがあるエラグ酸などが含まれている」(カランタルさん)という。

都内を中心にイベント出店し、ザクロワインの味と魅力を伝えるカランタルさん。その際必ず、世界地図を携えて、アゼルバイジャンの風土や魅力を伝えている。

カスピ海西岸の南カフカス(コーカサス)地方に位置し、北はロシア、南はイランとも国境を接する。隣国との交流から多様な食文化が育まれ、肉料理、特にケバブが名物。同じ南カフカス地方にあるジョージア、アルメニアとともに、ワイン発祥の地ともいわれている。

名産のザクロはワインだけでなく、煮詰めて料理のソースにするなど、身近な食材なのだという。

首都バクーは歴史的建造物と、高層ビルとが入り交じり、独特の景観をなす。「親日国で、自動車レースのF1グランプリや格闘技の大会も開かれる人気の観光地です」

隣国アルメニアとの紛争は和平へと進み始めた。カランタルさんは「対立によってこれまで多くの人が命を落とした。平和な状況が続いてほしい」と祈っている。ロシアのウクライナ侵攻の影響で落ち込んだワインの輸出も回復しているといい、「食を通じてアゼルバイジャンのことをもっと知ってもらいたい」と語った。

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