「宗教2世」虐待への対応明記 児童相談所の体制強化―政府

東京, 12月16日, /AJMEDIA/

 政府は15日、関係府省庁連絡会議を開催し、増加する児童虐待相談に対応するため、全国約230カ所の児童相談所(児相)の体制強化に向けた新プランを決定した。子どもの一時保護などに当たる児童福祉司ら専門職員を計2000人程度増員する目標や、信者の子として生まれた「宗教2世」が信仰を理由に虐待を受けるケースへの対応を明記。期間は2023~26年度とする。
 新プランでは、全国の児相にいる児童福祉司を24年度末までに6850人体制、子どもの心のケアを担う児童心理司を26年度末までに3300人体制とすることを目指す。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題をきっかけに関心が高まっている宗教2世を巡っては、信仰を理由とした暴力や心理的虐待などへの対応に一層の留意が必要と判断、新プランに盛り込むことにした。
 また、児相職員の負担軽減を図るため、虐待を受けた子どもを一時保護し、親から引き離すかどうかの判断に人工知能(AI)を活用。一時保護の必要性を裁判官が判断する「司法審査」の導入に向け、児相に弁護士などの配置を進める方針も打ち出した。
 東京都目黒区で18年3月に発生した女児虐待死事件を受け、政府は同年12月、児相体制強化プランを策定。今回は後継プランとなる。虐待相談件数は年々増え続け、21年度は20万7659件と過去最多を更新。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛などで、被害が潜在化している懸念もあり、厚生労働省幹部は「新しい課題が出てきている中で、児相の負担軽減や専門性の向上を目指さなければいけない」と話している。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts