「ポスト」松井、揺れる維新 結束維持に懸念も―代表選

東京, 8月15日, /AJMEDIA/

 日本維新の会の代表選が14日告示され、足立康史国会議員団政調会長、馬場伸幸共同代表、梅村みずほ参院議員による論戦が始まった。党勢は拡大傾向にあるものの、10年余り党を率いてきた松井一郎代表(大阪市長)が退くことに対し、党内の動揺は隠せない。早くも今後の結束を維持できるか懸念する声が漏れる。
 代表選をめぐっては、松井氏と並ぶ二枚看板の吉村洋文副代表(大阪府知事)が早々に不出馬を表明。絶対的な本命候補が不在の中、今回名乗りを上げた3氏は、旗印の「身を切る改革」など党の基本路線を堅持する姿勢を示すが、いずれも全国的な知名度は低く、指導力も未知数だ。
 このうち、現時点で優勢と目されるのが、元堺市議で維新の国政進出を当初から支えた馬場氏だ。松井氏から事実上の後継指名を受け、国会議員や地方議員の過半数の支持を確保。14日の街頭演説会では「松井代表がやってきたことは絶対に間違っていない。これを継承し、さらに改革を広げる」と力を込めた。
 これに対し、経済産業省出身の足立氏は「国と地方、横並びの組織」への改革を目指し、国会議員と地方議員、首長から計3人の共同代表を立てる「集団指導体制」を掲げた。参院当選1回の梅村氏は、唯一の女性候補として、若年層や女性の支持拡大を訴えた。
 維新の代表選は、国会議員や地方議員、一般党員が持つ「1票の重み」が同じだ。勝敗のカギは約2万人の一般党員が握っており、各陣営とも働き掛けを強めている。
 昨年の衆院選で、維新は公示前の4倍近くに躍進。今年の参院選も、比例票では野党第1党の立憲民主党を上回った。それにもかかわらず、目標とする全国政党に向け、党内は楽観ムードとは程遠い。維新は国会議員と地方議員の「溝が深い」(関係者)とされ、まとめ役だった松井氏の退任で、あつれきが表面化しかねないためだ。
 「松井氏の代わりは誰も務まらない」。ベテランの大阪市議はこう嘆いた。

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