馬場氏、全国政党化へ問われる指導力 「松井路線」継承、対立の芽も―維新

東京, 8月28日, /AJMEDIA/

 日本維新の会の代表選は、馬場伸幸共同代表が制した。「創業者」の松井一郎代表が表舞台から去る中、路線対立の芽を抱える党の結束を維持し、目標の「全国政党化」に道筋を付けられるか、指導力が早速問われることになる。
 「最大の目標は来年の統一地方選だ。次の衆院選をある程度占える」。馬場氏は27日の記者会見でこう述べ、全国政党化に向け、来春の統一地方選に全力を挙げる考えを示した。
 維新は、地域政党「大阪維新の会」を源流とし、2012年に結党。「党の顔」だった橋下徹元大阪市長の政界引退後、国会議員と地方議員の双方を束ねてきた松井氏は、今回の代表選で馬場氏を事実上後継指名し、勝利への流れをつくった。
 新代表に選ばれた馬場氏は、堺市議から国政に転じた。幹事長、共同代表として松井氏を支えてきたが、トップとして党全体のまとめ役を果たせるかは未知数。選挙戦では「松井路線」の継承を訴え、旗印の「身を切る改革」など、党運営の基本方針は維持する考えだ。
 新代表にとって、来春の統一地方選が当面の課題となる。全国で600人以上の当選を掲げるが、大阪を本拠地とする維新は、関西以外の地方組織が脆弱(ぜいじゃく)で、目標達成のハードルは高い。
 維新をめぐっては、国会議員と地方議員の「溝」が指摘される。馬場氏に対しても、大阪の地方議員を中心に「国政寄り」との不満がくすぶる。党関係者は「統一地方選に負けたら大変なことになる」と指摘。結果次第では、党運営をめぐる対立が先鋭化する恐れもある。
 松井氏は、大阪市長の任期が満了する来年4月で、政界引退の意向を示している。「後ろ盾」を失う馬場氏は、リーダーとしての求心力を維持するためにも、統一地方選での成果が求められる。
 2回の住民投票で否決された「大阪都構想」に代わる看板政策の発掘も課題だ。維新は次期衆院選で野党第1党の座を狙うが、党内からは全国にアピールする「維新にしかできない改革」(若手国会議員)の検討を訴える声が出ている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts