転入超過、コロナ前より低水準 政府は「東京集中」是正継続

東京, 8月28日, /AJMEDIA/

 新型コロナウイルスの影響が長引く中、東京都への転入者が転出者を上回る「転入超過」が低い水準にある。2020、21年は転出超過に陥る月が目立ったのに対し、22年は1~6月まで連続して転入超過となった。しかし、進学や就職に伴う移動が多い3、4月を除いた各月の転入超過数は1000人に満たず、コロナ流行前の19年の同じ月と比較しても少ない。政府は引き続き、「東京一極集中」是正に向けた対策に力を入れる。
 総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、コロナ前の東京の転入超過は年間7万~8万人台で推移。20年は約3万人に減り、21年は5433人で過去最少を更新した。感染拡大を機に、テレワークの活用といった新しい働き方が広まったほか、本社機能の移転などで郊外への転出の動きが生じた可能性がある。
 地域経済学・都市政策学が専門の大正大学地域構想研究所の中島ゆき主任研究員は、東京への人の流れが増える毎年3月時点のデータなどを比較。以前から続く流入はあったが、今年に入っても転出の動きが一定程度続いていると指摘する。「コロナをきっかけに働き方の自由度と柔軟性が拡大した企業も増えている。転入超過の勢いは戻りきっていないのではないか」との見方を示す。
 政府はこれまでも、地方への移住・定住の推進や、地域と継続的に関わる「関係人口」の増加に取り組む自治体を支援してきた。総務省幹部は「コロナ禍の中で地方への関心は高まったとみている」と説明。そうした人の受け皿を増やすため、「地域おこし協力隊などの政策ツールが活用されるよう努めたい」と話している。

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