補聴器、AIで進化 見た目も重視、普及へ工夫―メーカー各社

東京, 4月9日, /AJMEDIA/

補聴器が進化している。人工知能(AI)を搭載し、声をより聞こえやすくしたタイプや、見た目を重視したカラフルな機種も登場。「ノイズが入る」「調整が面倒」といった不便さから敬遠する人も多い補聴器だが、メーカー各社は普及に向けて機能やデザインを競っている。
トップメーカーの一つ、デンマークのデマントは2021年からAI搭載の「フィリップスヒアリンク」を販売。AIがさまざまなノイズパターンを学習、騒がしい環境でも会話を聞き取りやすくした。コロナ禍のマスク習慣を踏まえ、耳にかけるホルダーがない「耳穴型」も昨年投入した。
 パナソニックホールディングスは、耳かけ型の「R4」シリーズを10色展開。スマートフォンで簡単に音量調節もできる。シャープは耳穴型「メディカルリスニングプラグ」にピンクを追加。ワイヤレスイヤホンのような形状で、担当者は「眼鏡のように気軽に着けて」と話す。
 日本補聴器工業会の昨年の調査によると、難聴を自覚する人の補聴器所持率は15.2%で、4~5割に上る欧米とは開きがある。高性能の補聴器には数十万円と高価な機種も多いが、補助金などの支援は乏しく、デマントのソーレン・ニールセン最高経営責任者(CEO)は「日本は非常に保守的だ」と指摘する。
 難聴を放置すれば聴覚機能が一段と低下し、認知症やうつ病のリスクも高まるとされる。ニールセン氏は「高齢化が進む日本では長くアクティブに働くために聴覚ケアの重要性が増している」と強調、啓発活動にも力を入れる方針だ。

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