緩和継続、改めて強調 日銀総裁候補の植田氏―参院・所信聴取

東京, 2月27日, /AJMEDIA/

 参院は27日の議院運営委員会で、政府が次期日銀総裁候補として提示した元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏から所信を聴取した。植田氏は「情勢に応じて工夫を凝らしながら、金融緩和を継続することが適切だ」と強調。24日に衆院で行われた所信聴取に続き、金融緩和を継続していく考えを改めて表明した。
 植田氏は、黒田東彦総裁の下で進めた10年に及ぶ大規模緩和策について「メリットが副作用を上回っている」と明言。今後も「金融緩和を継続し、総需要を支えることで賃金上昇を伴う形での2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現していくことは可能だ」と語った。
 一方で現在の緩和策の柱である長短金利操作を巡っては、市場機能の低下などの「副作用」が指摘されており、日銀は昨年12月に一部修正に踏み切った。植田氏は「(長短金利操作の)持続性を高めるための措置と考えている」としつつ、「4月に就任した場合にも、じっくり(政策修正の)効果を見守ることを続けていきたい」と述べた。
 植田氏はまた、大規模緩和からの「出口戦略」を検討する必要があることも念頭に、「誰がやっても難しい厳しい状況だ」と言及。「過去の日銀での政策担当の経験、学者での経験を生かし、そのチャレンジングな課題に挑んでみたい」と就任への意欲を示した。

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