移動販売車で手軽にイベント 広がる用途、商品PR・体験会も

東京, 6月26日, /AJMEDIA/

 お昼時に街頭で弁当などを売る移動販売車の用途が広がっている。店舗を構えるよりコストが低く、気軽に人気エリアに移動できるメリットを生かし、ネット通販事業者らが商品PRや体験会を開催。車両や出店場所を一括で貸与するサービスも現れた。食品販売だけでなく、コロナ禍で来客低迷に悩むさまざまな業種が注目している。
 5月下旬の週末。東京・渋谷の東急百貨店本店前に止められた車の荷台には、全国の和菓子を紹介するパネルやパンフレットがずらりと並んだ。和菓子の通販サイトの運営会社が企画したイベントで、往来する人々が物珍しげに足を止めていた。
 イベントに車両を提供したのは住友商事で、東急百貨店との出店交渉も行った。担当者は「移動販売車は繁華街にも手軽に出店でき、PRに最適」と強調。来年にも、ネット事業者などに車両やレジなどの関連機器のほか、出店場所もまとめて手配する事業を本格化させる。
 5月の大型連休中、都内の商業施設の広場で開かれたのは、多様な教育を受けられる保育園の体験会だ。会場となった車両の荷台には、カラフルな毛糸や布、色鉛筆など工作に使う素材が並ぶ。多くの親子連れが保育士のアドバイスを受け、手作業を楽しんだ。主催したポピンズの広報担当者は「うちの保育サービスを知ってもらう機会になった」と手応えを感じたという。
 車両提供などで協力した三井不動産によると、移動販売車が扱うのは食品や雑貨が多いが、最近はマッサージやファッション相談など、用途が多様化しているという。同社は「コロナ禍で消費者の生活様式が変化し、近くまで来てくれる移動販売車が見直されている」(広報担当)として、車両を早期に60台にまで増やす計画だ。

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