生活インフラ、長時間混乱 「IoT社会」弱点浮き彫り―KDDI通信障害

東京, 7月4日, /AJMEDIA/

 KDDIで発生した通信障害は、携帯電話の通話やデータ通信サービスにとどまらず、影響が自動車や運輸、物流、金融、電力など広く産業界に波及、生活インフラの混乱が長時間に及ぶ事態となった。あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT社会」の本格的な到来を前に、その弱点を浮き彫りにしたといえる。
「つながる車」機能使えず KDDI障害で―トヨタなど

 今回、通信障害が発生したのは全国で最大約3915万回線。個人や法人向けの携帯電話回線だけでなく、IoT機器向けの150万回線にも影響が及んだ。
 宅配大手ヤマト運輸では宅配便の配送状況の更新ができなくなった。トヨタ自動車やマツダは、ネットに常時接続する「つながる車」の機能に支障が生じた。利用が広がるキャッシュレス決済も、一部でクレジットカード端末が使えなくなるなどの影響が出た。
 KDDIやNTTドコモなど大手通信会社は、個人向けの携帯電話事業が伸び悩む中、IoTやDX(デジタルトランスフォーメーション)など法人向け事業に注力している。今後、高速大容量規格「5G」が普及すれば、今以上に生活全般がネットにつながることになる。だが、実用化が進む自動運転などで通信が途絶えれば、人命に関わる事故に直結しかねない。
 KDDIの高橋誠社長は記者会見で、「これからのDXの時代を支えるために通信が重要だという認識は持っている」と強調。「しっかりとネットワークを守れるように議論していきたい」と語った。通信会社には、障害の発生と発生時の影響を最小限にとどめる対策がこれまで以上に求められる。

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