環境影響「考えられず」 他の原発でも海洋放出―政府

東京, 3月5日, /AJMEDIA/

東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について、政府は「環境や人体への影響は考えられない」と説明している。規制基準を大きく下回る濃度に薄めてから海に流すためだ。トリチウムの海洋放出は、国内の原発や海外の原子力施設でも行われている。
規制基準は、人が受ける被ばく線量を健康に影響がない水準に抑えるためのルール。政府は原発から放出される放射性物質の濃度に基準となる限度を定めている。第1原発の汚染水は、多核種除去設備(ALPS)などによる浄化処理を経て大半の放射性物質の濃度を基準以下に低減した処理水となる。しかし、水素に性質が近いトリチウムは現在の技術では除去できずに残ってしまう。
 このためトリチウムについては、処理水に取水した海水を混ぜて濃度を規制基準の40分の1となる1リットル当たり1500ベクレル未満に薄めた後、シールドマシンで掘削する海底トンネル経由で原発の約1キロ先から放出する計画だ。世界保健機関(WHO)が定める飲料水の基準1万ベクレルも下回る。
 トリチウムは、国内外の原子力施設でも、それぞれの国の基準を順守した上で液体廃棄物として海洋放出されている。政府は、国際原子力機関(IAEA)にも協力してもらい、安全性の情報発信を強化していく。

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