東北電、来年4月に33%値上げ 家庭の電気代、国に申請

東京, 11月25日, /AJMEDIA/

 東北電力は24日、電気料金の改定で国の認可が必要な一般家庭向けの規制料金について、平均32.94%の引き上げを経済産業省に申請した。来年4月の適用を目指す。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で燃料価格が高騰しているため、料金に転嫁する。侵攻開始後、値上げ申請は東北電が初めて。
 東北電に続き、北陸、中国、四国、沖縄の各電力も来春以降の値上げを今月中にも申請する。東京電力ホールディングスの申請は来月以降にずれ込む。東北電利用者の月間料金は、電気使用量が260キロワット時の標準家庭で、現在より2717円高い1万1282円となる。
 政府は来春の電気料金の値上がり分を肩代わりするとして、来年1月から1キロワット時当たり7円を補助する方針。東北電の場合、標準家庭への支援は1820円にとどまり、値上がり分をすべて補えない。家庭で負担増を抑えるには節電意識の向上が求められそうだ。
 一般家庭向けを主な対象とする電気料金には、電力小売りの全面自由化後も残る規制料金と、電力会社が独自に改定できる自由料金がある。東北電の契約先は、規制部門が約528万件、自由化部門が約157万件。東北電は来年4月以降、自由料金も規制料金と同水準に引き上げる方針。
 東北電の規制料金は今年6月、国への申請なしで燃料費の上昇分を料金に転嫁できる上限に達し、その後の燃料費高騰分は自己負担となっていた。2023年3月期の連結純損益は1800億円の赤字を見込んでいる。
 樋口康二郎社長は24日、仙台市内で記者会見し「苦渋の決断だが、最大限の経営効率化の実施を前提に申請した」と理解を求めた。人件費や燃料費など計1159億円のコスト削減を行う。値上げ額を算定するための原価計算では、24年2月に女川原発2号機(宮城県)が再稼働することを前提とした。

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