日野自に是正命令 2度目の型式指定取り消しも―国交省

東京, 9月10日, /AJMEDIA/

 日野自動車によるエンジン試験不正問題で、国土交通省は9日、同社に道路運送車両法に基づく是正命令を出した。また、新たに4機種のエンジン生産に必要な型式指定を取り消すことを決めた。それ以外のエンジンは出荷再開を認める。
 是正命令は、相次いで発覚した自動車メーカーによる完成検査不正を受け、2019年の同法改正で導入された。適用されるのは初めて。
 斉藤鉄夫国土交通相は同日午後、日野自の小木曽聡社長に是正命令書を交付。「国民を欺き続けてきたことは断じて許されない」と話し、再発防止策を1カ月以内に報告するよう求めた。
 同社は8月、排出ガス試験のデータ改ざんなどの不正行為が少なくとも03年から行われており、現行生産エンジンでは新たに4機種が排ガス規制の基準を満たしていなかったと発表。その後、現在生産するエンジン全機種で不正が行われていたことも判明し、出荷を停止していた。
 同省は立ち入り検査の結果、基準不適合のエンジン4機種について、大量生産に必要な型式指定の取り消しが必要と判断した。同社のほか、問題のエンジンを搭載した車両を販売しているいすゞ自動車に対する聴聞を行い、正式に処分を決定する。指定を取り消された場合、これらのエンジンを積んだ車の製造ができなくなる。
 同省によると、取り消しは、大型トラック・バス用エンジン1機種と、建設機械用の大型エンジン3機種。排ガス基準試験で、規制値を超えないように数値を書き換えるなどしていた。
 同社は3月にも、エンジンの排ガスと燃費試験に関する不正を公表。その後、国交省がエンジン4機種の型式指定を取り消していた。うち1機種は、今回の取り消し対象のエンジンと同一で、異なる不正内容だった。

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