日本アニメ愛好の不良集団拡大 ロシアで数百人拘束、社会問題化

東京, 3月2日, /AJMEDIA/

ロシア全土で日本のアニメ「HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)」の愛好者ら10代中心の「不良グループ」が勢力を拡大し、乱闘騒ぎを起こすなど社会問題化している。2月下旬、モスクワなどの大型商業施設で治安部隊が数百人を拘束。ペスコフ大統領報道官が28日、「注視している」と警告する事態となった。
社会不安を高めかねない状況に「日本アニメ禁止論」が噴出。ある下院議員は「非友好国が背後にいないかどうか、調査すべきだ」と主張しており、日本を含む西側諸国に批判の矛先が向かう恐れもある。
 メンバーは「民間軍事会社リョダン」を自称。ハンターハンターに登場する「幻影旅団」から命名し、ロシアのウクライナ侵攻で知られる民間軍事会社「ワグネル」をもじったらしい。クモの絵柄の黒服を着用するのが特徴で、ソーシャルメディアの登録者数は20万人規模とされる。
 極東を含むロシア全土でメンバー拘束が伝えられたほか、ウクライナでも存在が報告された。アニメの吹き替え版が旧ソ連圏で広く流通し、インターネットでファンの交流が進んだことが背景にあるとみられる。
 ロシアでは経済危機などの際に不良グループが顕在化。ソ連崩壊後の1990年代には、スキンヘッドの「ネオナチ」による外国人襲撃が相次いだ。並行してサッカーファン中心の「フーリガン」も登場。新型コロナウイルス禍に続いて昨年、戦時体制に入ったことが社会不安の要因となり、「リョダン」拡大を招いた可能性がある。
 プーチン大統領は近年、ソ連時代の青年組織を模して愛国教育を進めてきた。反社会的行動に走る若者の増加は、国家のコントロールに限界があることを示していると言えそうだ。

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