日中、細る議員交流 正常化50年も往来見えず

東京, 12月30日, /AJMEDIA/

 日本と中国の間で、議員外交のパイプが細くなっている。歴史問題などを抱える両国は、政府間だけでなく、議員間の人脈も活用して関係維持に努めてきた。しかし、中国側の覇権主義的な動きに日本側が反発。新型コロナウイルス禍も重なり、今年は国交正常化50年の節目にもかかわらず、ほとんど往来は見られなかった。
 両国の議員交流の枠組みに、自民、公明両党と中国共産党の幹部らによる「日中与党交流協議会」がある。自公両党の幹事長、政調会長らが参加し、これまでに計8回開催された。
 これに関し、自民党の茂木敏充幹事長は20日の記者会見で「議員間の交流が果たす役割は極めて重要だ」と意義を認めつつも、今後について「政府とも連携し、議員外交を推進したい」と具体的な言及は避けた。
 背景には、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入や台湾への軍事的圧力に対する危惧がある。新疆ウイグル自治区などの人権問題も容認できず、党関係者は「与党交流が誤ったメッセージになりかねない」と懸念を示す。
 自民党内では、保守派を中心に対中批判が拡大している。一方で「今こそ中国と仲良くしてきた人たちが語らなければならない」(閣僚経験者)との融和論もあるが、かき消されがちだ。
 台湾との連携強化を模索する動きも相次ぐ。今月は萩生田光一政調会長や世耕弘成参院幹事長が訪台した。
 超党派の日中友好議員連盟も、表立った動きは見られない。林芳正外相が昨年11月の入閣に伴い会長を辞任して以降、トップ不在の状況が続いている。長年、日中議員外交をけん引してきた自民党の二階俊博元幹事長も、現時点で訪中の計画はないという。
 一方、公明党の山口那津男代表は早期の訪中に意欲を示している。党関係者は「日中の対話のチャンネルが細くなっている今こそ、役割を果たしたいと山口氏は思っている」と解説する。
 ただ、習近平国家主席は中国共産党の総書記として3期目の指導部を発足させたばかり。山口氏は来年1月召集の通常国会前の実現を目指すが、調整は付いていない状況だ。

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