日インドのリーダーシップに期待 途上国債務問題で―世銀幹部

東京, 2月19日, /AJMEDIA/

世界銀行のインダーミット・ギル上級副総裁兼チーフエコノミストは、難航する途上国の債務減免協議について、先進7カ国(G7)と20カ国・地域(G20)の議長国をそれぞれ務める日本とインドがリーダーシップを発揮し、交渉が進むことに期待を表明した。17日までに時事通信のインタビューに応じた。
 減免交渉を巡っては、低所得国向けの2国間融資で最大の貸し手となっている中国が阻害要因だとの批判が上がる。ギル氏は、日米欧などパリクラブ(主要債権国会議)加盟国と違い、債務減免を求められるのは「中国にとって初めてだ」と述べ、経験の乏しさが一因と指摘した。
 また、不動産不況で国内の金融部門が苦境にあり、「不良債権を増やせる状況ではない」事情があるとの見方を示した。
 ギル氏は、中国やインド、サウジアラビアなど非パリクラブ諸国がG7よりも多額の融資を低所得国に行う一方、一部の低所得国は市場から民間資金を調達できるようになるなど「過去20年で債務の構造が大きく変わった」と強調。「新たな現実」の中で減免を実現するには幅広い関係者の間での「信頼の醸成が必要だ」と訴えた。
 世銀は国際通貨基金(IMF)やインドとともに、23日からのG20財務相・中央銀行総裁会議に合わせ、債務問題に関する「円卓会議」を主催する。ギル氏は日米欧と中国など新興国の「信頼構築を始めるべきだ」と強調。ただ、「会議に期待し過ぎてはならない」とくぎも刺し、前途の多難さをうかがわせた。
 各国の利害が錯綜(さくそう)する中、ギル氏はG7とG20の議長国同士である日本とインドの「良好な関係」に注目。「非常に素晴らしい巡り合わせで、前向きな動きを期待している」と語った。

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