敦賀原発審査、再び中断へ 資料誤り多数、訂正求める―再稼働遠のく・規制委

東京, 4月6日, /AJMEDIA/

原子力規制委員会は5日、再稼働に必要な審査の資料に誤りが多数判明した日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)について、誤りの訂正を反映した審査申請書を8月末までに出すよう行政指導する方針を決めた。敦賀2号機の審査は、資料の無断書き換えを巡って2年以上実質的に中断し、昨年再開したばかり。再び中断を余儀なくされることで、再稼働は遠のく見通しとなった。

 規制委の山中伸介委員長は記者会見で「書類をチェックする体制が依然としてできていない。社長のマネジメントが働いていない」と日本原電を批判。「改善しなければ、それなりの判断をしないといけない」と厳しい対応を示唆した。
 日本原電は2015年11月、敦賀2号機の審査を申請。20年2月、敷地内のボーリング調査で得られた地質の情報を記した「柱状図」の記述が無断で書き換えられていたことが発覚した。同社は、後に判明した詳細な観察結果を反映させたもので、意図的な改ざんではないと釈明したが、審査は2年以上にわたって中断した。
 規制委は昨年10月、同社の資料作成に改善が認められたとして審査を再開した。しかし、評価に用いる試料片の作成方法が不適切だったことが新たに分かり、審査資料の誤りは計1300カ所以上となった。
 これまでは審査会合で用いる資料を訂正する形で対応してきたが、規制委事務局の原子力規制庁はミスが繰り返される事態を問題視。日本原電に対する行政指導として、法的書面である審査の申請書に訂正を反映することを提案し、規制委の委員5人も同意した。早ければ来週にも同社経営陣を呼び、意見を聴いた上で行政指導する。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts