岸田首相、アフリカへ官民4兆円超 中国念頭、債務健全化を後押し―TICAD8が開幕

東京, 8月28日, /AJMEDIA/

 日本主導でアフリカへの支援や投資について議論する第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が27日、チュニジアの首都チュニスで開幕した。岸田文雄首相はオンライン形式で開会式に出席し、今後3年間で官民合わせて総額300億ドル(約4兆1300億円)規模の資金を投じると表明。中国が途上国に多額の借金を負わせて影響力を強める「債務のわな」が指摘されており、途上国の債務健全化へ改革を後押しする方針を掲げた。
 首相は、日本とアフリカを「共に成長するパートナー」と位置付け、「人への投資」と「成長の質」を重視する立場を説明した。その上で、グリーン成長やスタートアップ支援に取り組むと伝達。産業や保健・医療などの分野を中心に、今後3年間で30万人の人材育成を行うと明らかにした。
 インフラ開発などのため、アフリカ開発銀行と協調し、最大50億ドルの融資を行う方針も示した。このうち、透明性の高い開発金融の実現に向け、日本として10億ドルの特別枠創設を表明。過剰融資が問題視される中国を念頭に、「強靱(きょうじん)で持続可能なアフリカを支援する」と強調した。
 首相はまた、ルールに基づく国際秩序の維持・強化の重要性を訴えた。「自由で開かれたインド太平洋」構想推進や国連安全保障理事会改革で、アフリカとの連携を呼び掛けた。
 ロシアのウクライナ侵攻にも言及。「力による一方的な現状変更を許せば、影響はアフリカや世界全体に広がる」と危機感を示した。

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