原材料高も値上げ考えず まずコストダウン―掬川ライオン社長

東京, 1月10日, /AJMEDIA/

 日用品大手ライオンの掬川正純社長はインタビューに応じ、原油など原材料の価格が高騰する中、「販売価格を上げることは今のところ考えていない」と強調した。市況は一定の周期で上下動を繰り返すと分析。市況の変動を直ちに価格転嫁することは避け、コストダウンや付加価値が高い商品への切り替えで乗り切る考えを示した。
 コストダウンを進めるため、掬川氏は「全社的なプロジェクトを立ち上げ、加速したい」と表明。年間で数十億円規模の削減を図るという。高付加価値化に向けた戦略では、家事を楽にするなど、生活の利便性向上に役立つ商品を強化し、「1回使うと替えられなくなるものを狙う」と話した。
 掬川氏はまた、2022年の経営方針について「ギアチェンジをして、大きく成長を希求する段階に入る」と説明。国内で複数の新規事業を年内に立ち上げる方針を示した。主力の口腔(こうくう)ケア事業では、デジタル技術を使った歯磨き指導や健康づくりなどをスタートさせる。
 一方、成長の中心となる海外事業では、インドやバングラデシュ、ベトナム、フィリピンへの進出を計画する。販路を開拓するため、社内にチームを設置して現地メーカーの買収を検討する方針で、掬川氏は「年内に一つぐらいは実現したい」と意欲を示した。

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