危機下のG20財務相会議 ウクライナ侵攻1年、識者に聞く(2)

東京, 2月20日, /AJMEDIA/

◇国際秩序「まだら模様」に=田所昌幸国際大特任教授
 ―ウクライナ侵攻で国際社会は大きく変わった。
 冷戦後の世界が完全に終わった。中国やロシアも含めて共通の規範の下で共存できるとG7各国では期待もあったが、違った。単一の制度で利害を調整できる世界でなくなったことがはっきりした。濃淡さまざまな枠組みが重なり合う「まだら模様」の国際秩序になっていくのではないか。
 ―対ロ制裁の効果をどう見る。
 戦争を断念させることはできないが、戦争遂行を困難にするとともに、強いメッセージを発する効果がある。同時に、西側諸国にもエネルギーや食料の価格高騰というコストが生じている。
 ―G7は日本が議長国に。
 ウクライナ支援に日本がどう関与するかは一つの議題になるだろう。領土を武力で変更しないのが国際社会の原則。台湾有事なども念頭に、これを守る勢力の結集を呼び掛けるメッセージを打ち出す必要がある。
 ―今後、G20の存在意義は。
 温暖化などグローバルに対処すべき問題がある。グローバル市場を機能させるためにも、協力する機会となる対面での話し合いは重要だ。
 ―新興国の台頭も著しい。
 どう巻き込んでいくかが重要になる。日本の場合は特に東南アジアだ。政府開発援助(ODA)を通じて積み上げてきた関係をさらに発展させるべきだ。

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