企業物価、過去最高続く 昨年12月、9カ月連続更新―日銀

東京, 1月17日, /AJMEDIA/

 日銀が16日発表した2022年12月の国内企業物価指数(速報値、20年平均=100)は、前年同月比10.2%上昇の119.5となり、9カ月連続で過去最高を更新した。ウクライナ危機などに伴う資源や原材料価格の高騰が続いており、指数は統計を開始した1960年1月以降で前例のない水準に達している。
 22年の指数は前年比9.7%上昇の114.7で、年間ベースでは伸び率も最高となった。
 企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示す数値。企業は原材料高を販売価格に転嫁する動きを強めており、消費者物価の上昇率にも影響を与えそうだ。インフレが高止まりを続ければ、日銀の金融緩和縮小への思惑が強まる可能性もある。
 22年12月は、資源高に加え、新型コロナウイルス禍からの経済活動再開で需要が高まった電力・都市ガス・水道の指数が前年同月比52.3%上昇。鉄鋼も20.9%と大幅な上昇が続いた。
 また、飲食料品は7.7%上昇。飼料価格の高騰や鳥インフルエンザの流行で、農林水産物も6.9%上昇した。調査対象515品目の9割近い454品目が前年を上回った。
 年間でも、精米や玄米価格が値下がりした農林水産物を除く全分野で上昇。日銀は「(前年に比べ)幅広く上昇の動きが広がったことが見て取れる」と指摘している。
 価格転嫁の動きは当面続くとみられる一方で、高止まりしていた原油価格がピークを脱したことを背景に、「(物価高騰は)春ごろには落ち着いていくのでは」(明治安田総合研究所の小玉祐一フェローチーフエコノミスト)との見方も出ている。

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