「資本金1億円」改正見送り 23年度、外形課税の基準―「減資で適用除外」対策は議論・与党検討

東京, 11月6日, /AJMEDIA/

 自民、公明両党は2023年度税制改正で、法人事業税の外形標準課税について、資本金1億円を超える大企業を適用対象とする現行基準の見直しを見送る案を軸に検討することが4日、分かった。複数の関係者が明らかにした。対象から外れるため意図的に資本を減らす企業があることは問題視しており、中長期的な課題として議論を継続する公算が大きい。
 外形標準課税は、資本金や従業員に支払う賃金などに応じて課すため、赤字企業も納税が必要となる。資本金1億円を超える大企業は、法人事業税のうち8分の5を外形標準課税で、残りを所得によって課される。一方、資本金1億円以下の中小企業はすべて所得に応じた課税となっている。
 総務省によると、06年度時点で外形標準課税の対象法人は2万9618社だったが、20年度には1万9989社まで減少。地方財政審議会は、対象から外れるために減資した企業がある可能性を指摘しており、適用基準の見直しを模索している。
 全国知事会が実施した調査では、全都道府県のうち36団体が現行基準を維持しつつ、別の基準を併用する対策が望ましいと回答。一方、基準を見直せば、外形標準課税が適用される中小企業からの反発が予想され、「慎重な議論が必要だ」(与党の税制調査会幹部)との声もある。
 地財審の検討会は11月半ばまでに、外形標準課税の課題などについて中間報告を取りまとめるが、早期の見直しに言及しない見通しだ。

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