「統合司令部」に運用一元化 自衛隊改編、安保3文書明記で

東京, 12月26日, /AJMEDIA/

 防衛省は、陸海空3自衛隊の部隊を一元的に指揮する「統合司令部」を創設し、そのトップに幹部自衛官の「統合司令官」を配置する組織改編の検討に入った。有事での迅速な部隊配備、米軍と運用面で意思疎通をより緊密に行う狙いがある。改定した安全保障関連3文書のうち、自衛隊の組織体制をまとめた「防衛力整備計画」の最終年度となる2027年度までの発足を目指す。
 整備計画には、「平素から有事まであらゆる段階においてシームレスに領域横断作戦を実現できる体制を構築するため、常設の統合司令部を創設する」との方針が明記された。
 現在、自衛隊制服組トップの統合幕僚長とこれを支える「統合幕僚監部」が首相や防衛相の補佐を行い、首相らの命令を受けて部隊運用の執行を担っている。この体制を整理し、統幕長が補佐機能に専念できるようにする。部隊運用は統合司令部に集約する方向で議論が進む見通しだ。
 統合司令部の創設を求める声は、東日本大震災後に高まった。震災当時の統幕長が部隊の運用に加え、首相官邸への報告に忙殺されたためだという。
 制服組トップの山崎幸二統幕長は22日の記者会見で、「陸海空自衛隊の一元的な統合運用体制の確立は必要だ」と述べるにとどめ、規模や発足時期などについては明言を避けた。
 ただ、防衛官僚の中には「首相の考えを直接聞き、その意向を踏まえた部隊運用を行う現行制度が、シビリアンコントロール(文民統制)の観点から望ましい」との否定的な声も出ており、議論が難航する可能性もありそうだ。

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