Jアラート、システム抜本改修へ 信頼性向上が急務―政府

東京, 11月6日, /AJMEDIA/

 政府は、全国瞬時警報システム(Jアラート)の信頼性向上へシステムの抜本改修を急ぐ。北朝鮮が3日に発射した弾道ミサイルを巡り、政府が避難要請を出した時点で既に通過予想時刻を過ぎていた。日本上空通過が間違いと判明した後の訂正も遅かった。国民保護のためのJアラートが機能しなければ、不測の事態への対応が困難になる。
 松野博一官房長官は4日の記者会見で「さまざまな意見を頂いている。関係省庁が連携し、システム改修も含めた改善策を検討している」と語った。松野氏は同日の衆院内閣委員会で、北海道、青森県の住民を対象にJアラートや避難に関する意識調査を行う方針も明らかにした。
 3日午前7時39分ごろの北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、政府は同50分、ミサイルが上空を通過する恐れがあるとして宮城、山形、新潟3県の住民にJアラートで避難を要請する一報を発信。しかし、その約50分後、防衛省は「レーダーから消失したことが確認された」と情報を訂正した。浜田靖一防衛相は4日の会見で「落下物の危険性を速やかに知らせるJアラートの役割に鑑みれば、問題があったとは考えない」と釈明した。
 課題として浮かび上がったのは発信のタイミングの遅さだ。同8時に出したJアラート第2報では、ミサイル通過予想時刻を「7時48分ごろ」としており、最初の避難要請の時点で既に2分過ぎていたことになる。10月4日の日本列島越えミサイルで青森県などに出したJアラートでも発信の遅さが指摘されていた。
 防衛省は全国のレーダー情報を基にミサイルの落下地点を瞬時に割り出し、その情報を受けた内閣官房がJアラート発信の内容や対象地域を判断する。4日の自民党会合で政府の担当者は「レーダーからの消失をどう評価するかに時間がかかり、結果として遅れた」と説明した。
 これに対し、出席議員からは「飛来する可能性が分かれば、国民保護の観点から恐れずに迅速に出すべきだ」との声が相次いだ。
 発信情報を巡る訂正の遅れも問題視された。この間、避難すべきか戸惑った住民も多かったとみられ、自民党幹部は「1時間も(避難要請を)流しっ放しというのは考えられない」と政府の対応を批判した。

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