関係改善、韓国の「本気度」探る 政府、次期政権代表団来日で

東京, 4月19日, /AJMEDIA

 韓国の尹錫悦次期大統領が「政策協議代表団」の日本派遣を決めたことについて、日本政府は「前向きな動きだ」(外務省幹部)と受け止めている。日韓間には元徴用工問題など難問が横たわっているため、協議を通じて対日関係改善に意欲を示す尹氏側の「本気度」を見極める方針だ。岸田文雄首相が面会に応じることも検討する。
 松野博一官房長官は18日の記者会見で「今回の機会を捉え、新政権側としっかり意思疎通していく」と表明。地域情勢の不安定化に対応するには「健全な日韓関係」に戻すことが不可欠との認識を示し、「尹次期大統領のリーダーシップに期待する」と述べた。
 代表団派遣は今月上旬の米国に次いで2カ国目。知日派の韓国国会副議長や対日関係に精通した元外務省幹部ら「重鎮」(日韓外交筋)が24~28日の日程で来日する予定で、岸田首相との顔合わせも希望している。一連の協議では5月10日の大統領就任式への来賓出席などを提起するとみられる。
 尹氏は大統領選で「未来志向」の日韓関係を掲げた。先の米紙ワシントン・ポストのインタビューでは「植民地支配を取り上げることは韓日関係を傷つける」と述べ、米国を交えた3カ国連携を重視する立場も示した。日本外務省幹部は「基本姿勢として評価したい」と語る。
 ただ、尹氏を支える保守勢力は少数与党となることから、徴用工や慰安婦の問題でどの程度の決断をできるかは不透明だ。そもそも、保守政権時代も日韓関係がぎくしゃくした例は過去にある。韓国では6月1日に統一地方選が控えており、日本側には「選挙が終わるまで動けないだろう」(政府関係者)との見方が出ている。
 徴用工問題は1965年の日韓請求権協定により解決済みで、慰安婦問題と併せて「韓国側にボールがある」というのが日本政府の立場だ。松野氏は18日の会見で「このまま放置することはできない。国と国の約束を守ることは国家間の関係の基本だ」と強調し、韓国側の対応を改めて促した。岸田首相と代表団の面会については、別の外務省幹部が「先方に決意があるかどうかを見なければいけない」と指摘した。

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