自民参院山形、一転して擁立検討 国民推薦案に批判、迷走続く

東京, 5月20日, /AJMEDIA/

 夏の参院選山形選挙区(改選数1)をめぐり、国民民主党現職への推薦案まで出ていた自民党は19日、一転して独自候補を擁立する方向となった。「不戦敗」に対する党内の批判が強く、国民も参院選は野党の立場で自民党と対決する姿勢のためだ。予想される公示が約1カ月後に迫る中、迷走が続いている。
 自民党の茂木敏充幹事長は19日夜、安倍晋三元首相、麻生太郎副総裁と東京都内で会談し、山形選挙区について「(候補者を)出す方向だ」と説明した。同党幹部は、国民現職の舟山康江氏について「ルビコン川を渡らなかった。党として何もしないわけにはいかない」と強調。別の党幹部は「党山形県連会長の遠藤利明選対委員長は戦う気になっている」との見方を示した。
 自民党執行部は野党共闘の分断を狙い、国民の取り込みを画策。山形では過去2回の参院選で野党候補に連敗したこともあり、候補擁立を見送って3選を目指す舟山氏を推薦する案も検討していた。
 ところが、4月と5月に山形で情勢調査を実施してみると、自民党が独自候補を立てた場合、舟山氏とほぼ互角の勝負になるとの結果が出た。自民党内では当初から「候補を立てて戦うべきだ」との声は多く、ここに来て党内の主戦論が盛り返してきた形だ。
 世耕弘成参院幹事長は17日の記者会見で「野党だと明言している方を推薦できるのか。万一、そういう案件が上がってきたらしっかり議論する」と主張。ある重鎮は19日、「山形の衆院議員は全て自民党だから、普段通りに戦えば勝てるはずだ」と語った。
 擁立見送りが揺らいでいる背景には、山形では野党の地方組織の結束が固く、国民内で自民党の支援に拒否反応が出ていたこともある。自民党側は連携を打診してきたが、舟山氏からは色よい返事を得られなかった。
 自民党は32ある1人区で山形以外は全て擁立済み。結論をこれ以上先送りすれば全体の選挙戦略に影響しかねない。執行部は早ければ今週末にも対応を決定する方向で調整を急ぐ。

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