自民内に秋葉復興相交代論 通常国会へ年内にも火種除去

東京, 12月18日, /AJMEDIA/

 来年1月召集の通常国会を前に、自民党内で「政治とカネ」の疑惑を抱える秋葉賢也復興相を交代させるべきだとの声が出始めた。なお残る「政権の火種」を除去して2023年度予算審議などに臨む必要があるとの考えだ。他の閣僚らを含む小規模の内閣改造・党役員人事も取り沙汰され、年末に向けた岸田文雄首相の判断が焦点になってきた。
 「早く辞めればいい。なぜ辞めないのか」。自民党幹部の一人はこう語り、秋葉氏が職にとどまっていることへのいら立ちをあらわにした。
 先の臨時国会では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題や「政治とカネ」の疑惑を受け、山際大志郎前経済再生担当相ら3閣僚がドミノ辞任に追い込まれた。こうした中、問題が発覚した閣僚で秋葉氏だけが閣内にとどまっている。
 秋葉氏を巡っては、家賃支払いや寄付の形で親族に政治資金を還流させた疑惑などが浮上。臨時国会の審議では、事実関係をただす野党の質問に対し、秋葉氏のおぼつかない答弁が目立った。
 通常国会は会期150日間と長丁場。春には統一地方選も控える。立憲民主党など野党が対決姿勢を強めるのは確実で、自民党内には秋葉氏に再び攻撃が集中することへの懸念がくすぶる。党関係者は「年内交代もあり得る」と語り、今月下旬の23年度予算案決定後の動きを注視する。
 党内には、防衛費増額に向けた首相の増税方針に公然と異を唱えた高市早苗経済安全保障担当相に対する批判も少なくない。最後は政権の方針に従ったものの、閣僚経験者は「あそこまで言われたら首相は代えるしかない。指導力が問われる」と語った。
 国会運営を巡り政府との連携の悪さが指摘される自民党の高木毅国対委員長が続投することも、同党にとって通常国会の不安材料とされる。「早々に内閣改造・党人事を行い、清新な気持ちで通常国会に臨むのがいい。高木氏も代えたらいい」。ベテラン議員は首相に決断を促す。
 ただ、内閣改造・党人事は新任閣僚らの不祥事が新たに発覚するリスクもある。首相は10日の記者会見で「内閣改造は考えていない」と否定しつつ、「現時点で」と言及。今後の情勢を見極めながら慎重に判断する姿勢をにじませた。

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