自民、連合に接近 芳野会長から意見聴取―参院選へ野党分断狙う

東京, 4月19日, /AJMEDIA

 自民党は18日、党本部で全世代型社会保障の実現に関する「人生100年時代戦略本部」(本部長・上川陽子幹事長代理)を開き、連合の芳野友子会長から社会保障制度について意見を聴いた。立憲民主、国民民主両党の有力支援団体の連合会長が自民会合に出席するのは異例。自民党には夏の参院選に向け、野党勢力の分断を図る狙いがある。
 「非正規であろうが正規であろうが、働く内容に応じて、しっかりと処遇がなされるべきだ」。芳野氏は戦略本部で、男女間の賃金格差の是正や賃金引き上げの必要性を訴えた。
 戦略本部は意見交換を含め約1時間行われた。会合後、上川氏は記者団に「問題(意識)は共有する。課題解決のために力を合わせて取り組む必要がある」と連携に期待を示した。
 自民党は昨年来、野党の選挙協力に付け入る隙があると見ていた。衆院選の際に立民が共産党と交わした「限定的な閣外協力」の合意に、芳野氏は不快感を繰り返し表明。2022年度予算に賛成した国民は与党と政策協議を進めているからだ。
 このため、32ある改選数1の1人区で野党間調整は進んでいない。全1人区で野党共闘が成立し、一定の成果を収めた過去2回の参院選とは対照的だ。
 こうした中、岸田文雄首相が1月の連合新年交歓会に自民党の首相として9年ぶりに出席。3月の党大会では「連合との政策懇談を積極的に進める」と明記した22年運動方針を決定した。一連の連合への接近を主導しているとされるのが麻生太郎副総裁だ。3月中旬には都内のホテルで芳野氏と会食した。
 自民と芳野氏の接近に立民からは、「労働界代表として出席する政府の会議と自民の会合に出る意味の違いを分かっているのか」と芳野氏への不満が絶えない。当の芳野氏は18日、自民党本部で記者団に「共産党を除く主要政党とは意見交換したい。政策が実現できるのであれば積極的にやる」と宣言した。

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