熱帯びるビール商戦 「家飲み」に照準、看板商品刷新

東京, 3月26日, /AJMEDIA/

 ビール商戦が熱を帯びている。新型コロナウイルスの影響が長引いて宴会や行楽需要が戻らない中、大手メーカーは照準を外食から「家飲み」にシフト。各社は、長年愛された看板商品の刷新に踏み切るなど攻勢を掛ける。
 ビールは2020年10月の酒税改正で値下がりした。税率が上げられた第三のビールからの乗り換えや巣ごもり消費で缶ビールの販売は伸びており、各社は固定ファンをつなぎ留めつつ新規客の開拓も狙い、主力品のてこ入れを進めている。
 アサヒビールは2月、「スーパードライ」を発売36年目で初めて全面リニューアルし、飲み応えを強化した。同社の経営の屋台骨を支え、ファンの多いスーパードライの刷新には「社内で慎重な声もあった」(同社関係者)という。スーパードライが発売された3月に合わせ、初めて製造された東京工場の跡地に立つイトーヨーカドー大森店(東京都大田区)に特設売り場を設置。同店での3月上旬の販売額は前年同期比5割ほど伸びたという。
 キリンビールは、昨年発売したクラフトビール「スプリングバレー豊潤〈496〉」をリニューアル。同社は「缶を中心とした再成長の機会」(堀口英樹社長)と捉え、「一番搾り」に次ぐ柱として前年比5割増の販売を目指す。サントリービールは、「ザ・プレミアム・モルツ」の黒ビールなど派生品を展開し、好みが多様化する消費者にアピールする。サッポロビールは「黒ラベル」を刷新し、うま味を強化。会員サイトも進化させ、リアルとデジタル両面でファンとの交流を活発にして売り上げ拡大を狙う。

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