次期日銀総裁、中曽氏がトップ 対話力、機動力を重視―時事通信の市場関係者アンケート

東京, 12月31日, /AJMEDIA/

 日銀の黒田東彦総裁が来年4月8日に任期を迎えるのを控え、時事通信は市場関係者を対象にアンケート調査を行った。その結果、「次期総裁に最もふさわしい人物」は、前日銀副総裁の中曽宏大和総研理事長が最多票を集めた。総裁の資質としては、市場との対話力や変化への機動力を求める声が多かった。
 日銀は今月19~20日の金融政策決定会合で、大規模緩和策を修正した。今後さらなる政策変更も予想される中、新総裁には丁寧な情報発信が求められそうだ。
 アンケート調査は、11月29日から12月12日にかけてメールで行い、市場関係者30人のうち24人(24社)から回答を得た。
 次期総裁にふさわしい人物として中曽氏を挙げたのは12人。金融政策の実務に通じていることに加え、「経済・金融危機の現場での経験が役立つ」(農林中金総合研究所・南武志氏)など、日本の金融危機やリーマン・ショックに日銀幹部として深く関与した経験を評価する声が多かった。
 また、「一度日銀を離れたことでしがらみが少ない」(アクサ・インベストメント・マネージャーズ・木村龍太郎氏)との指摘もあった。
 これに次ぐ8票を獲得したのが雨宮正佳副総裁。理由としては「政策の継続性」(UBS証券・足立正道氏)が多く、「政策の修正や正常化の必要が生じた場合、(現政策)決定時の背景・経緯や問題点も踏まえた対応が行える」(野村証券・美和卓氏)との声が聞かれた。このほか若田部昌澄副総裁の名前も挙がった。
 「次期総裁に求められる資質」(自由記述)を聞いたところ、「市場との対話力、理解力」が7票。「変化への機動力、柔軟性」「金融政策に精通、実務能力」「政治との折衝力、調整力」「国際性、国際感覚、語学力」も、それぞれ5票あった。
 副総裁2人も3月19日に任期が切れる。「副総裁にふさわしい人物」(2人まで回答可)としては、日本総合研究所の翁百合理事長が最多の10票を集めた。総裁候補に挙げられることも多い元財務官の浅川雅嗣アジア開発銀行総裁は5票、物価と金融政策に詳しい渡辺努東大大学院教授は3票だった。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts