林氏、拘束邦人の早期解放要求 秦氏「法に基づき処置」―対話継続を確認・日中外相会談

東京, 4月3日, /AJMEDIA/

【北京時事】林芳正外相は2日、中国の秦剛国務委員兼外相と北京の釣魚台迎賓館で会談した。林氏は、中国当局が先月拘束した邦人男性の早期解放と領事面会の実現を要求。秦氏は「法に基づいて処置する」と述べた。林氏は沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が繰り返している領海侵入も取り上げ、「深刻な懸念」を伝達した。
両外相の対面による会談は初めて。昼食会と合わせて約4時間行われた。
 林氏は冒頭、「日中関係は数多くの課題や深刻な懸案に直面しており、非常に重要な局面にある」と指摘。秦氏は「両国関係が困難を乗り越えるよう推し進めていきたい」と語り、両外相は首脳や外相レベルでの「緊密な意思疎通」を継続することで一致した。
 北京では3月、中国当局がアステラス製薬の50代男性社員を「反スパイ法違反」として拘束した。林氏はこれに抗議し、司法の透明性確保を要請。経済分野の協力や国民交流の拡大に向け「適切な環境を整える必要がある」と述べ、正当な経済活動の保障が必要だと主張した。
 緊張が高まる台湾情勢に関し、林氏は「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調。秦氏は「中国の核心的利益の中の核心だ。台湾問題に干渉してはならない」と表明し、立場は平行線をたどった。林氏はまた、南シナ海進出の動きに懸念を伝えた。
 ウクライナ危機について、林氏は先の岸田文雄首相による首都キーウ訪問を含め、日本の立場を説明。中国が対ロシア軍事援助に動く可能性を念頭に「責任ある役割」を果たすよう促した。日本周辺での中ロ両軍の共同活動にも懸念を示した。

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