日米首脳、結束アピール狙う 軍事・経済で中国けん制

東京, 5月23日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相は23日のバイデン米大統領との首脳会談で、覇権を拡大する中国を念頭に、安全保障・経済の両面で日米の結束力をアピールする考えだ。ロシアのウクライナ侵攻を受け、国際社会で中国の動きに対する警戒感が広がる中、両首脳はアジア太平洋地域への米国の幅広い関与を強く打ち出し、中国をけん制する。
 首相は21日、バイデン氏の来日について「日米同盟のさらなる強化を確認し、自由で開かれたインド太平洋実現へ緊密な連携を確認したい」と記者団に語った。
 首相はかねて「ロシアの侵攻は欧州にとどまらず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがすものだ」と述べ、ウクライナ危機がアジアに波及することへの懸念を示してきた。実際、中国海軍の空母が沖縄南方の太平洋で艦載機の発着艦を繰り返すなど示威的活動が続く。
 こうしたタイミングでのバイデン氏来日について、政府関係者は「来ること自体に象徴的な意味がある」と解説する。ウクライナ情勢に欧米が注力する中でもインド太平洋地域への米国の関与を示すものだとして、日本側は歓迎している。
 首脳会談では核の傘を含む拡大抑止についても協議する方向だ。バイデン氏は「日本防衛への揺るぎない支援」を表明し、首相も防衛力の抜本強化に向けた取り組みを伝達する。首相としては「日米同盟の盤石さと万全さ」(外務省関係者)を示すことで抑止力を高めたい考えだ。
 経済面では、地域的な包括的経済連携(RCEP)に参加する中国が影響力を強め、「地域のルール作りを主導しかねない」(外交筋)との危機感も増している。
 バイデン氏は滞在中にインド太平洋経済枠組み(IPEF)の発足を宣言する見通し。首相も参加を表明し、米中の覇権争いの焦点である経済安全保障の連携強化に向けて支援する立場を明確にするとみられる。

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