政権評価懸け、岸田首相本腰 衆参5補選、野党は態勢構築急ぐ

東京, 3月6日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相(自民党総裁)は5日、4月の衆参両院補欠選挙応援の第1弾として山口県を訪れた。補選の投開票まで1カ月半以上ある時点での首相現地入りは異例。政権の「中間評価」を懸け、準備に本腰を入れた。野党は態勢づくりを急ぐ。
補選は4月23日に投開票される。衆院の千葉5区、和歌山1区、山口2、4区の四つで確定。参院大分選挙区も同日選となる見通しだ。
 首相は5日午後、安倍晋三元首相が議席を得ていた山口4区に入り、自民党新人の集会で演説。「先送りできない課題に結果を出せるのは自公政権しかない」と訴えた。
 夕方には、岸信夫前防衛相の辞職に伴い同氏の長男が出馬する山口2区で集会に参加。関係者によると、首相は他の3県にも行くことにしている。有権者の関心が高い追加物価対策を早期にまとめ、アピールする構えだ。
 早めの準備は、2021年10月の内閣発足から1年半の評価を下される今回の補選が、その後の政権安定の試金石になるためだ。菅義偉首相時代の21年4月に実施された三つの衆参補選・再選挙で自民党は全敗。菅氏に大きな打撃となり、退陣につながった。
 自民党は千葉5区に新人、和歌山1区に元職の擁立を決め、参院大分で候補選定に着手。全勝を目標に掲げる。
 一方、保守地盤の山口2、4区で野党は出遅れ気味。立憲民主党は4区で元参院議員の擁立を調整している。
 「政治とカネ」の問題で自民党議員が辞職した千葉5区は、立民と日本維新の会、国民民主、共産各党が候補を擁立し、乱戦気味。野党陣営の調整はめどが立っていない。
 国民議員が知事に転じた和歌山1区では、隣の大阪を地盤とする維新が女性和歌山市議を立てた。
 参院大分は野党系無所属の現職が知事選出馬を表明し、近く議員辞職する方向。19年参院選でこの現職が野党共闘により自民党候補を破った経緯があり、野党側はその再現を狙う。
 立民の泉健太代表は野党陣営の一本化について「選択肢が(与党と野党で)明確になった方が良い」と前向き。自民党は野党議席の和歌山1区と参院大分を「リスクが高まっている」(幹部)と警戒し、浮動票の多い千葉5区も野党の動きを注視している。

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