参院山形「不戦敗」で自民紛糾 非主流派、遠藤氏に集中砲火

東京, 4月13日, /AJMEDIA

 自民党が夏の参院選山形選挙区(改選数1)で国民民主党への配慮から候補擁立見送りを視野に調整していることをめぐり、12日の自民党総務会で異論が噴出した。非主流派の森山裕総務会長代行らが「擁立すべきだ」と主戦論を展開。党山形県連会長も務める遠藤利明選対委員長は集中砲火を浴び、釈明に追われた。
 口火を切った森山氏は「国民候補と戦うほかの選挙区に影響が出る。士気が下がる」と主張。国民現職と争う大分選出の衛藤征士郎元衆院副議長が「1人区で出さないのはあり得ない」と加勢し、菅義偉前首相側近の坂井学前官房副長官ら計5人が「不戦敗」に疑問を呈した。
 遠藤氏は、山形では立憲民主、共産両党を含め野党の地元組織の結束が固く、参院選や知事選で苦戦してきたと説明。与党と国民の政策協議も念頭に「悩ましい。まだ対応は決めていない」とかわし続けた。茂木敏充幹事長が「しっかり調整していく」と述べるなどして収めた。
 森山氏は菅氏や二階俊博元幹事長、佐藤勉前総務会長らに近く、いずれも党内の非主流派。この後、森山氏から総務会の様子を聞いた佐藤氏は「森山さんの発言は正論だ」と応じた。党内では遠藤氏への不満が高まっており、非主流派として存在感を見せつける狙いもあるとみられる。
 遠藤氏の置かれた状況は苦しい。複数の自民党幹部は12日、「候補を出した方がいい」との認識を示した。世耕弘成参院幹事長は記者会見で、一般論と断りつつ「全ての1人区で立てるのは当たり前だ」と指摘。ある閣僚経験者は「連合の支援など参院選全体のメリットを示せないと、不戦敗への理解を得るのは難しい」と語った。

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