円安進行、120円台に インフレ懸念、株価は乱高下

東京, 3月23日, /AJMEDIA/

 ロシアによるウクライナ侵攻開始から約1カ月。金融市場にも混乱が広がり、円相場は22日、東京外国為替市場で1ドル=120円台と2016年2月上旬以来約6年2カ月ぶりの安値を付けた。原油高などへの対応で米国が利上げを加速するとの見方から円売り・ドル買いが進み、侵攻後の下落幅は約6円に拡大。株式市場も乱高下が続いた。
 侵攻が始まった2月24日の円相場は114~115円台。原油など原材料高に拍車が掛かり、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月16日に0.25%の利上げを決定。パウエル議長は21日、0.5%幅の引き上げも辞さない考えを示唆し、金融引き締めでインフレを抑制する姿勢を鮮明にした。
 これに対し、日銀の黒田東彦総裁は18日の記者会見で「金融を引き締める必要もないし、適切でもない」と述べ、現在の大規模緩和策を堅持する方針を改めて表明。金融政策の違いで日米の金利差が開き、円が売られやすくなっている。
 一方、日経平均株価は侵攻開始を受けて急落。3月に入ると、ウクライナ南部の原発に対する攻撃を機に下げ足を速め、2万5000円を割り込んだ。FRBの利上げ決定後は「金融政策をめぐる不透明感が後退した」として上昇に転じたが、急激な円安に比べれば上げ幅は限定的だ。
 円安は輸出企業の業績を押し上げる一方、原材料の輸入コストを増大させる。経団連の十倉雅和会長は22日の記者会見で「『良い円安』『悪い円安』は、業種や産業、期間によって異なる。安定的な状態が続くのが一番だ」と指摘した。

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