内閣支持「低位安定」傾向に V字回復、依然見えず

東京, 3月6日, /AJMEDIA/

岸田内閣の支持率が、報道各社の世論調査で「低位安定」の傾向を示している。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題や閣僚不祥事が下火になったことが要因とみられる。ただ、V字回復にはほど遠く、4月の衆参補欠選挙や統一地方選、年内の可能性も取り沙汰される衆院解散・総選挙に向け、岸田文雄首相の不安は尽きない。
時事通信の世論調査によると、岸田内閣が発足した直後の2021年10月の支持率は40.3%。歴代内閣の中では低水準だったが、同月末の衆院選に勝利すると上昇局面に入った。22年4月に現在までで最も高い52.6%を記録。同7月の参院選も勝利した。
 ところが、自民党と教団の関係などが世論の反発を招くと、支持率は一転して急落。同10月には3割を切って政権維持の「危険水域」に突入した。
 一方、今年2月は前月比1.3ポイント増の27.8%。5カ月連続で2割台にとどまったものの、下落傾向にひとまず歯止めがかかった。この時期は例年、予算審議で野党の追及を受け、支持率は低下するケースが多い。
 首相は年明け以降、局面転換に腐心してきた。恒例の年頭記者会見で「異次元の少子化対策」に取り組むと表明。継続的な賃上げ実現の訴えや、追加の物価高対策の検討など、国民生活を意識した発信にも力を注いだ。
 ロシアのウクライナ侵攻から1年のタイミングで、欧米各国と積極的に連携を図ったことも奏功した可能性がある。
 自民党内では一時の危機感が遠のき、「支持率低迷はもう終わった」(ベテラン)との見方も出始めた。麻生太郎副総裁は2日の派閥会合で、衆院の予算審議を振り返り、「スキャンダルに時間を取られず、政策の審議が進んだ。喜ばしい」と満足げに語った。
 もっとも、参院での予算審議は3月いっぱい続く見通し。野党は、放送法の解釈を巡り政治的圧力があったとする文書などで、引き続き政権を追及する。
 支持率が下げ止まったとはいえ、不支持率の方が高い状況は変わらない。「政権の何が評価されたか分からない」(党幹部)との声も漏れる中、首相は今後も難しい政権運営を迫られそうだ。

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