中国、「ミニNATO」警戒 日米韓の安保連携に反発

東京, 8月20日, /AJMEDIA/

日米韓の安全保障分野での協力強化に対し、中国の習近平政権は「ミニNATO(北大西洋条約機構)を構築する動き」(官製メディア)と警戒を強めている。3カ国協力が恒常化し、日米豪印の「クアッド」や米英豪の「AUKUS(オーカス)」に準ずる連携枠組みとなれば、中国包囲網が一層狭まるためだ。
 「アジア太平洋地域は、地政学的争いの場となってはならない」。中国外務省の報道官は18日、ワシントン近郊での日米韓首脳会談を前に、3カ国にくぎを刺した。しかし、会談の成果文書は、中国が「核心的利益の中の核心」と位置付ける台湾問題に言及した上、中国が南シナ海で「危険かつ攻撃的な行動」をしていると名指しで非難した。
 成果文書発表の数時間後、中国国営新華社通信は、中国軍による台湾周辺での軍事演習開始を伝えた。台湾の頼清徳副総統の訪米への対抗措置とみられるが、結束を強める日米韓をけん制する意図も透ける。
 中国はこれまで、日韓が融和へ動くと歴史問題を持ち出して足並みの乱れを誘うのが常とう手段だった。韓国の尹錫悦政権による対日関係改善の機を捉え、米国が3カ国協力の「制度化」を進め、政権交代に左右されない連携体制を構築することは、中国にとって避けたいシナリオだ。
 中国は来月の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に合わせ、日本との首相会談を調整している。日中韓首脳会談の再開も模索しており、今後、関係国の間にくさびを打ち込む外交攻勢を仕掛けてくることも予想される。

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