「薄くて曲がる」太陽電池研究 再エネ拡大、実用化目指す―東京都

東京, 12月31日, /AJMEDIA/

 東京都は、次世代型の太陽電池の実用化を目指し、化学メーカーと共同研究に乗り出す。フィルムのように薄くて軽く、折り曲げられるのが特長で、都は現在主流の太陽光パネルに比べて、場所を選ばず設置できると期待。2023年春にも下水処理場を活用した実証実験を始め、再生可能エネルギーの導入を加速させる。
 研究を進めるのは、ヨウ素を主原料とする「ペロブスカイト型」の太陽電池。薄さは1ミリ程度で自由に折り曲げられ、重さはシリコンを使ったパネル型の約10分の1。大掛かりな設置工事も不要で、屋根だけでなく、壁面などにフィルムのように貼り付けられるため、活用場所を広げられる可能性がある。
 都によると、ヨウ素の世界産出量の約3割は日本国内。パネル型では中国製品が大きなシェアを占める中、主原料を安定的に自給できるため、実用化すれば経済安全保障の観点からも有意義と都はみている。
 このため都は、ペロブスカイト型の開発に力を入れている積水化学工業と連携。来春をめどに、大田区の下水処理施設の設備の上に幅1メートル、長さ2メートルの同型電池を4枚貼り付け、発電効率や耐腐食性能を調べる。
 都は25年度、戸建て住宅を含む中小規模の新築建築物にパネル設置を義務付ける全国初の制度を始める。小池百合子知事は「再エネの導入拡大につながる新技術の開発を積極的に後押ししていく」と話している。

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