「本当に必要な人へ物資を」 自宅全焼も地域支援に奮闘―ラハイナのフェルナンデスさん・ハワイ山火事

東京, 8月20日, /AJMEDIA/

米ハワイ州マウイ島の山火事で甚大な被害を受けた西部ラハイナで、日々、住民に物資を届ける若者がいる。ミュージシャンのジェイコブ・フェルナンデスさん(21)。自らの家も全焼したが、「本当に必要な人へ物資を届けなくてはならない」と語り、約10人のグループで日々、被災地を駆け回っている。
 「この異常な暑さだから水を買おう」「料理用の油も欲しいって聞いたな」。フェルナンデスさんら3人は17日、空港近くの会員制量販店で物資を購入した。最近の住民とのやりとりを思い出しながら、巨大なカートに品物を手際良く載せていく。18日には、ハワイで親しまれる軽食「スパムむすび」約500個を住民に配った。
 フェルナンデスさんは山火事が発生した8日から仲間に声を掛け、翌日には飲料水などの物資を配り始めた。資金はSNSで集まる寄付から得ている。今は「缶詰ばかりだと栄養が足りない。特にビタミン」と語り、野菜や果物も配る。小まめに地域を回り、子供用のおむつや医薬品など細かなニーズに対応する機動力が持ち味だ。「子どもの元気は、地域の士気につながる」と考え、おもちゃを配ることもあるという。
 特に重点を置くのは、支援物資を配布するために設けられた拠点まで自力で行けない高齢者や病気を抱える人々。「(配布拠点に)物資はたくさんあるけれど、地域の人に届いていない」という思いが強い。
 自分自身の避難には数分の猶予しかなく、音楽活動で使うノートパソコンしか自宅から持ち出せなかった。「もう失うものは何もない。だから、失う可能性がある人たちを助けたいんだ」と話す。活動を通じて「地域にたくさんの『アロハ』(ハワイ語の『愛』)が戻ってきている。それを見るのがたまらなく好きなんだ」とほほ笑んだ。

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