4候補、党員票獲得に全力 混戦でペース鈍く―自民総裁選、終盤戦へ

東京, 9月25日, /AJMEDIA/

自民党総裁選は29日の投開票に向け終盤戦に入った。過去の総裁選に比べて今回は党員の投票が遅れ気味と見て、4候補とも党員票獲得に全力を挙げる。

 党員の投票用紙は告示日(今回は17日)に発送され、手元に届くとすぐ返送する例が多いため、最初の数日が勝負とされる。だが、関係者によると今回は全国的にペースが遅く、東京都連では投票率が24日現在で40%弱にとどまる。18日から3連休だったことや、混戦模様のため「党員も悩んでいる」(閣僚経験者)ことが要因とみられる。

 河野太郎規制改革担当相(58)は24日、北海道の農林水産業関係者とオンラインで意見交換し、「全面的にバックアップしたい」と訴えた。知名度の高い小泉進次郎環境相や石破茂元幹事長と一緒に露出する場面が目立つ。同日の陣営の会議では幹部から「まだ眠っている党員票がある」と掘り起こしの指示が飛んだ。

 岸田文雄前政調会長(64)は衆院議員会館でJA福島中央会幹部と面会。農業政策について「他候補の誰より具体的に提案している」と強調した。同時に小泉氏が党農林部会長時代に取り組んだ農業改革を念頭に、「現場のためにならないのに真の改革と言えるのか」と批判した。

 高市早苗前総務相(60)はミュージシャンのデーモン閣下さんや世良公則さんと相次いで会い、コロナ禍に苦しむ音楽業界の現状を聴取。「持続化給付金の再給付も考えている」と伝えた。

 野田聖子幹事長代行(61)は党の都議団幹部らと会談し、支援を求めた。東京は党員数も最大。出馬表明の遅れもあり、支援者をそれぞれ抱える都議の影響力に期待している。

 ただ、決選投票にもつれ込む可能性が高いとあって、国会議員票もおろそかにできない。党員票は28日必着であることから、河野陣営幹部は「この週末以降は議員対策にシフトする」と明かす。

 岸田陣営の会議直前には最大派閥・細田派会長の細田博之元幹事長が激励に訪れた。同派は高市、岸田両氏を支持するとしているが、会長自らの登場とあって岸田氏周辺は「力をもらった」と笑みを浮かべた。

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