23年卒、採用意欲回復 選考早期化が加速―就活解禁

東京, 3月2日, /AJMEDIA/

 2023年春卒業予定の大学生らを対象にした企業説明会が1日解禁され、就職活動が本格化した。新型コロナウイルスの影響でここ2年は採用を抑制した反動などもあり、企業の採用意欲は回復している。2月1日時点の内定率が前年を上回るなど、選考の早期化も加速。内定辞退者の増加につながるとみられ、優秀な学生確保に向けた競争が激しさを増しそうだ。
 就職情報会社ディスコ(東京)の調査によると、採用数を増やすと回答した企業は26.6%で、22年卒と比べて11.0ポイント上昇した。コロナ禍で苦境に立たされている大手航空会社も採用再開を決断。ディスコの担当者は「コロナ後を見据えて新卒採用計画を立てる企業が増えたのではないか」と分析する。
 選考の早期化も進む。政府が示す「就活ルール」では広報活動が3月、採用選考活動は6月が開始時期にもかかわらず、リクルート(同)の調査によると大学生の内定率は2月1日時点で13.5%に上った。前年より3.6ポイント増え、2月調査を始めた16年卒以降で過去最高となった。
 懸念されるのが内定や選考途中での辞退者の増加だ。内定を受けた後も大手企業などの選考を受ける学生も多いとみられ、リクルートの調査では内定辞退者が22年卒と比べて「増える」と見込む企業の割合は14.1%に上った。
 就職情報サイト「リクナビ」の栗田貴祥編集長は、辞退者を減らすための取り組みについて、「企業の良いところだけでなく、学生が不安に思う点も伝えるなど、納得して入社してもらえるような情報開示が必要だ」と指摘している。

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