東京, 8月25日, /AJMEDIA/
野村哲郎農林水産相は24日のインタビューで、ロシアによるウクライナ侵攻で日本の食料安全保障が揺らいでいることを踏まえ、備蓄対象とする食品の品目拡大を「今後検討しなければいけない」と述べた。政府は現在、法律に基づきコメと小麦を備蓄している。一方、食料安保の強化に向け、麦や大豆の自給率引き上げが大きなテーマになると強調した。主なやりとりは次の通り。
―食料安保をどう強化するか。
食の基本になる麦、大豆が非常に不足しており、自給率も低い。どう引き上げていくかが食料安保の一つの大きなテーマだ。どのように生産を拡大するのか政策を集中しないといけない。
―備蓄対象とする食料を拡大する考えは。
コメや小麦以外も今後検討しなければいけない。大豆や他の作目を備蓄すべきなどいろいろ考えはある。優先順位をつけながら備蓄していくとなると、日本人が毎日食しているものが中心になってくる。
―スマート農業の今後の展望は。
全国205カ所で実証事業を行っている。スマートフォンで温度管理などができるため、ビニールハウスに行かなくても状況が分かり好評だ。一方、機械をそろえないとできずコストが掛かる。農協で機械を買って地域で共有していくなど工夫が必要となる。
―物価高騰への対応は。
国民の間で学校給食のパン(の価格)が上がるという心配もあり、輸入小麦の政府売り渡し価格を据え置く方向だ。トウモロコシを中心とした飼料の値上がりで、畜産農家から経営が成り立たないという悲痛な声が聞かれるため、対応を検討している。
―米価下落傾向に対する打開策は。
農家は安定した仕組みを求め、政府が供給を管理する昔の制度に戻すべきだとの声があるが、後戻りできない。やはり需要に見合ったコメ作りが必要だ。