韓国政府、解決策を発表 尹大統領「未来志向の決断」―日本政府、談話継承表明・元徴用工問題

東京, 3月7日, /AJMEDIA/

【ソウル時事】韓国政府は6日、日韓の最大の懸案である元徴用工訴訟の問題に関し、政府傘下の既存の財団が被告の日本企業の賠償を肩代わりする解決策を発表した。尹錫悦大統領は「未来志向の韓日関係に進むための決断だ」と強調した。これを踏まえ、日本政府は歴史認識に関する過去の談話や宣言を引き継ぐ立場を表明。2018年の韓国最高裁の確定判決以降悪化した日韓関係の改善に向け大きく踏み出した。
賠償の肩代わりは公益法人「日帝強制動員被害者支援財団」が担い、財源は民間企業の寄付で賄う。1965年の日韓請求権協定で日本の経済協力を受けた鉄鋼大手ポスコなど韓国企業の寄付を想定し、被告となっている日本企業の寄付を前提としない。一方で、記者会見した朴振外相は「日本企業の自発的寄与を期待する」と語った。
 また、朴氏は「両国の経済界が自発的に寄与する方策を検討中で、日本政府も反対しない立場だ」と明らかにした。日本の経団連と韓国の全国経済人連合会(全経連)が共同で若者のための基金をつくる案を検討している。
 日韓両政府の高官は、被告企業に賠償金を求める「求償権」の行使は想定していないと説明した。
 韓国政府の発表を受け、岸田文雄首相は6日、記者団に「痛切な反省と心からのおわび」を明記した1998年の日韓共同宣言を含め歴代内閣の立場を引き継いでいると表明。解決策については「日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価する」と語った。韓国政府が求めていた日本の対韓輸出規制の緩和に向け日韓両政府は6日、協議を速やかに再開すると発表。経団連は関係改善の動きを評価した。
 尹氏は核・ミサイル開発を加速する北朝鮮への対応などで日米韓連携を重視してきた。バイデン米大統領は声明で「重要な一歩を踏み出した」と歓迎した。韓国政府は尹氏の早期の訪日と日韓首脳のシャトル外交の復活を目指す。

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