非公式停戦交渉後に中毒症状 ロシア人実業家アブラモビッチ氏も―英報道

東京, 3月29日, /AJMEDIA/

3月上旬に行われたロシアとウクライナの非公式の停戦交渉に参加した3人が、化学兵器による中毒に似た症状を発症したことが明らかになった。被害者の一人はロシア人実業家ロマン・アブラモビッチ氏であることも判明した。英調査報道機関ベリングキャットが28日報じた。
 ロシアとウクライナ当局者による停戦交渉はこれまでベラルーシで3回行われ、29日からトルコで再開するが、この中毒問題が影を落とす可能性もある。
 アブラモビッチ氏はプーチン大統領に近い新興財閥(オリガルヒ)で、サッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーの名物オーナーとして知られる。英国や欧州連合(EU)の制裁対象だが、停戦交渉の仲介役を務めているとされる。
 報道によると、アブラモビッチ氏は別のロシア人実業家、ウクライナ側代表団のウメロフ最高会議(議会)議員とともに非公式協議に参加。3月3日の交渉はウクライナ領内で行われ、午後10時ごろまで続いたという。
 しかし、3人は首都キエフのアパートに戻ったその夜遅く、目や皮膚の炎症や刺すような目の痛みなどを感じ、症状は翌朝まで続いた。3人はその後、ロシア側と非公式協議を続けるため、西部リビウを経てポーランド、トルコに移動した。
 ベリングキャットによると、その後の専門家の調査で化学兵器による毒物の可能性が高いと結論付けられた。ただ、「致死量には不十分で、怖がらせることを意図した可能性が高い」と分析している。

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