菅氏、今度は政権運営を批判 強める「反岸田」色

東京, 1月19日, /AJMEDIA/

 自民党の菅義偉前首相は18日、ラジオ日本の番組に出演し、岸田文雄首相を重ねて批判した。首相が国政選挙で公約した経済政策を例に、「約束したことをきちっと丁寧に一つずつ実現していくことが大事ではないか」と指摘。防衛費増額に伴う増税方針を「議論がなさ過ぎた」と切り捨てた。菅氏は派閥に依存した首相の政治姿勢を批判したばかりで、「反岸田」色を一段と強めた形だ。
 菅氏は番組で首相の政権運営について問われると、「私の立場で発言するのは控えたい」と言いながら、「やはり選挙が2回終わっている」として、物価高対策などを掲げた昨年の参院選公約などの実現に最優先に取り組むべきだと主張した。
 その上で防衛増税に関し、「突然だった。例えば行革でいくらとかいろんなことを示した上で、できない部分は増税させてくださいとかそういう議論がなさ過ぎた」と語った。
 少子化対策の財源として自民党幹部が言及した消費税率の引き上げに関しても「これだけの物価高で、何をやるかメニューが出ていない中で、消費税の議論というのはあり得ない」と訴えた。
 菅氏は10日に外遊先のベトナムで、「歴代の首相は派閥から出て首相を務めたのではないか」と脱派閥を首相に迫った。今回は首相の政権運営そのものをやり玉に挙げたもので、非主流派の菅氏の動向に対する党内の関心がさらに高まる可能性がある。
 菅氏に近いベテラン議員は18日の発言について「政権に一石を投じた意味は大きい」と語った。自民党関係者は「増税の話はタイミングが悪い。軽く考えると大変なことになるぞと、首相に最大限の警報を出している」との見方を示した。
 一方、主流派の安倍派中堅議員は「これだけ政権の課題が山積する中で、後ろから鉄砲を撃つタイミングなのか」と疑問を呈した。

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