臨時国会、10月上旬浮上 「旧統一教会」追及懸念―政府・与党

東京, 8月20日, /AJMEDIA/

 野党が早期の臨時国会開催を求める中、政府・与党内で10月上旬に召集する案が浮上した。9月下旬に安倍晋三元首相の国葬が予定されていることに加え、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題をめぐる議論の場をできるだけ野党に与えない狙いがある。立憲民主党など野党側は早速反発した。
 岸田文雄首相は19日、静養先の静岡県から帰京した。22日に公務に復帰する。
 臨時国会では、衆院小選挙区を「10増10減」する区割り改定案を反映した公職選挙法改正案の処理などが主なテーマとなる見通し。政府は追加の物価対策を盛り込んだ2022年度第2次補正予算案成立も視野に入れる。
 今後の政治日程を眺めると、首相は9月下旬に米ニューヨークでの国連総会に出席する予定。同月27日には安倍氏の国葬が営まれる。政府・与党が早期召集に慎重なのは、旧統一教会問題の沈静化に加え、賛否が割れる国葬の前に国会で議論が紛糾するのを避ける思惑もある。
 自民党幹部は臨時国会の召集時期について「10月初めだろう」と述べた。公明党幹部も「国会召集は全てが終わった10月の頭になる」との見方を示した。政府関係者は「国葬の前に国会を開く意味はない」と語った。
 立民の泉健太代表は19日の記者会見で「政務三役に旧統一教会と関係のある人物が多過ぎて、首相は批判から逃れたいという思いを持っているのではないか」と指摘。「(早期召集に)後ろ向きというのは国会軽視だ」と訴えた。
 野党は、政府・与党が早期召集要求に応じないことを織り込み、批判を強める構えだ。旧統一教会問題をめぐる衆院文部科学委員会の閉会中審査開催も求めていく。与党側は難色を示しており、駆け引きは激しくなりそうだ。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts