緊張緩和に程遠く ナゴルノ紛争勃発1年

東京, 9月27日, /AJMEDIA/

【モスクワ時事】昨年9~11月に旧ソ連構成国のアゼルバイジャンとアルメニアが係争地ナゴルノカラバフをめぐり繰り広げた紛争が勃発した日から27日で1年。停戦を仲介したロシアが平和維持部隊を派遣して監視に当たっているが、国境での小競り合いが散発的に起きており、緊張緩和には程遠い状況だ。

国連総会の一般討論演説にアゼルバイジャンのアリエフ大統領は23日にビデオ形式で参加し、「昨年9月の国連総会で、私はアルメニアによる占領継続と攻撃的な声明や行動を指摘した。1年後の今日、アルメニアが敗北し、わが国がその占領に終止符を打ったことを誇りに思う」と強調した。

 一方、24日に同じくビデオ形式で参加したアルメニアのパシニャン首相は「昨年秋にナゴルノカラバフは侵略された。民間人や重要インフラを意図的に標的にするなど、アゼルバイジャン軍による多くの目に余る国際法違反が起きていた」と主張した。

 両首脳は今年1月、ロシアのプーチン大統領を交えてモスクワで対面会談を行い、地域情勢の安定化に向け、3カ国が交通インフラ開発などで協調していくことで一致したが、火種はくすぶり続けている。7月には国境付近で両国軍が交戦し、アルメニア兵3人が死亡。今月もアルメニア側の犠牲が伝えられている。

 ソ連時代からの係争地をめぐり再燃した紛争は資源国として国力を充実させてきたアゼルバイジャンが圧勝。アルメニアは占領地の返還を余儀なくされた。双方の死者は計6500人超とされる。アゼルバイジャンは民族的に近いトルコの後ろ盾を得て、ロシアと軍事同盟を結ぶアルメニアを破っており、旧ソ連圏でのトルコの影響力拡大を印象付けた。

上記の記事は、時事モスクワ支局のものである。

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