維新、岸田政権と対決姿勢 参院選にらみ「改革」強調―代表質問

東京, 12月10日, /AJMEDIA/

日本維新の会の馬場伸幸共同代表は9日の衆院代表質問で、岸田政権との対決姿勢を鮮明にした。現金とクーポンによる18歳以下への10万円相当の給付や、文書通信交通滞在費(文通費)の見直しで、政権側の対応を厳しく批判。来年夏の参院選に向け「改革」アピールに努めた。
 「最たる愚策は10万円相当の給付だ。全額現金に切り替える考えはないか」。馬場氏は衆院本会議で、クーポン給付に膨大な事務費が掛かることなどを問題視し、岸田文雄首相に抜本的な制度是正を求めた。
 馬場氏は、足踏み状態が続く文通費の見直し協議にも矛先を向けた。使途公開に慎重な自民党を念頭に、「改革に背を向ける会派は、国民が汗水流して納めた税金に群がるシロアリ集団だ」と痛烈に皮肉り、首相に率先して領収書を公開するよう迫った。
 しかし、首相は10万円相当の給付について「地方自治体の実情に応じて(全額を)現金での対応も可能とする」としつつも、クーポン給付を「原則」とする方針は維持した。文通費の使途公開も「国会議員の一人として、(与野党間の)合意に従い対応したい」と述べるにとどめた。
 こうした政権側の対応を踏まえ、維新は2021年度補正予算案に反対する方向で検討を進めている。維新は10月の衆院選で公示前勢力を大きく上回る41議席を獲得。「身を切る改革」を打ち出して、政権批判票の受け皿になったことに自信を深めており、「10万円相当の給付でも民意はわれわれにある」(幹部)と強気を崩さない。
 一方、維新が対決姿勢を示す背景には、首相との間に太いパイプがないことも一因となっている。維新の松井一郎代表(大阪市長)は、安倍晋三元首相や菅義偉前首相と緊密な関係を構築。25年の国際博覧会(大阪・関西万博)誘致などにつなげてきたが、現状は様変わりした。
 馬場氏は本会議後の記者会見で「(政権側との)パイプは細く、弱くなっている」と認めた。その上で「今後、人間関係の強化もやっていきたい」と述べた。

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